問・   

聴音について

 聴音と譜読み

 聴音のレッスンを受ければ楽譜が読めるようになるという掲示板の回答を読んだのですが、具体的にどのような訓練を積めば良いのでしょうか? また聴音のレッスンを受けて楽譜が読めるようになるまでに時間はどのくらいかかるものなのでしょうか?

 回答 ヒラマツ

 個人差はありますが、まずは3・4回程度の聴音のレッスンで進歩を実感なさるのではないかと思います。具体的には、ピアノで弾く単音から2小節あるいは4小節くらいの音を聞き取り、楽譜に正確に書き取ります。その楽譜を声を出して歌うことで読譜に慣れることです。徐々に長めの課題・いろいろなリズム・一般にとりにくい音程などを含んだ曲をとれるようにしていく中で、読譜力は確実に身につくと思います。数多く課題をこなして、慣れることがなによりと思いますよ。
 

譜読みについて 

 楽譜が読めません

 ヴァイオリンを弾いているのですが、楽譜を見てメロディーを口ずさむことができません。ですから、事実上、譜読みができないのと同じことなのですが、それができるようになるためには、聴音の訓練をつめば良いと聞きました。聴音のレッスンをうければ、譜読みの時にメロディーを口ずさむことができるようになるでしょうか。 

 回答 ヒラマツ 

 鳴っている音を正確に楽譜にすることが『聴音』ですから、聴音ができるということは、逆の作業である、楽譜に記されている音を正確に実音にすることができるわけです。ちなみに、短い楽譜を与えられた時間内で正確に読み取り、声に出す(歌う)科目を『新曲』といいますが、『譜読み』という作業は『新曲』と同様でしょう。
『聴音』と『新曲』は表裏一体の作業ですので、『ソルフェージュ』という科目として並行して学びます。たくさん課題をこなすうちに、ご自分の中の拍の感覚・リズム感・調性感などが自然に育っていきます。『聴音』ができれば、『譜読み』はたのしい作業になるでしょう。ぜひお試しください。
 

音痴はなおりますか

 音痴なんですが 

 大人になってから、ソルフェージュを習って、歌えるようになりたいとおもっていたのですが、ひどい音痴なので、次第に自分の声を聴くのが嫌になり、途中でドロップアウトしてしまいました。音痴というものは、訓練すればなおるものなのでしょうか?  

 回答 ヒラマツ

 「わたしは音痴なのです」と言われる方にときどきお会いすることがあります。それぞれ個人差はあると思いますが、わたしは「音痴」という状態はその方の「音に対する怖れ」のような感情を取り除くことができれば、ほぼ乗り越えられるのではないかと考えています。ご自分の中に、音の変化を感じ取る力・感覚が育っていくのを、希望と期待を持って待ってみてください。そしてなによりも、「自分は音痴なのだ」と思うのをやめてみましょう。あなたは音痴ではないとわたしは思います。なぜなら、「自分は要求された音とはちがう音をだしているらしい」と感じることができるではありませんか?あなたに鋭い音感が備わっている何よりの証拠です。次は多少の忍耐を持ってつらくない程度に訓練しつづけてみることです。かならず、思い通りの音が出せるようになると思いますよ。
 

リズム感

 弾き語りについて

 11年もやっていたのに全然リズム感がないです。弾き語りをうまくできるコツってないですか?

 回答 ヒラマツ

 リズムって何かな?と思ってみますと、普段歩いていることも、また心臓の鼓動も、リズムなのですよね。リズムは各々の自分の中にあるものです。たとえば、歩きながら、また、寝る前に自分の心臓の鼓動に耳をすませてみながら、その規則正しい拍動を感じてみるのはいかがでしょうか? 「同じ歩調で歩いてみよう」と歩いてみる。歩きながら、「今度は一歩目を強めに(重めに?)踏み出してみよう」と少し変化をつけていく。一歩目を強めに踏み出すと、自然に二歩目は少し引いた感じで歩きたくなるはずです。そのまま、「1、2」と感じながらしばらく歩いてみてください。これが「2拍子」の拍動です。おなじ要領で、一歩目を強めに、二歩目、三歩目を少し引いた感じで歩いてみると、「3拍子」の拍動の感じをつかめます。拍動のうちの、「1拍目」をうまく自分の中で掴めれば「ピアノを弾きながら歌う」という動作もかなりやりやすくなるはずです。弾き語りをしたいのであれば、あとは和声の感覚も必要ですね。。それはちょっと慣れが必要かな?和声も「こっちの響きに行きたい」という流れがありますので、その流れを自分の中に掴むことが大切です。基本の和声進行のパターン数種をつかんでおけば、弾きながら歌う動作はずいぶん楽になると思いますよ。